ネギの小さな知識

ねぎの歴史と漢方としてのねぎ

ねぎは中国の西部、中央アジアの高原地帯が原産地とされていて、日本にも朝鮮半島を通って1000年以上も前にやってきたといわれています。『日本書紀』や『万葉集』などにも登場するほど長いおつきあいのある、なじみの深い野菜。いつからか関東では白い部分の多い根深ねぎ、関西では青い葉の部分を食べる葉ねぎが好まれるという面白い地域差が生まれました。
葉の白と青の部分では栄養成分が異なっていて、薬効では白い部分に軍配があがります。漢方で「葱白(そうはく)」とよばれるのはこの白いところのこと。
食べると体を温めて、風邪のひき始めの特効薬とされました。ガーゼなどでくるんだねぎをのどに巻くのにも、葉に含まれる揮発成分で鼻づまりを治す効果があるんです。おばあちゃんの知恵袋的な使い方にも、医学的なきちんとした意味があったんですね。

栄養価・成分

ねぎ特有の香りと辛味のもとは「アリシン」という成分で、これがとっても効能大。血行をよくして体を温め、疲れのもとになる乳酸を分解してくれるので、ねぎを食べると体がポカポカ、疲れが吹き飛びひき始めの風邪を撃退することができる、というわけです。同じ理由で、肩こりの解消にも効果的。血の巡りがよくなるので、こわい血栓を予防する効果まであるんです。
また胃液の分泌を助けるので、胃腸の働きがよくなり食欲も増進。たっぷりの食物繊維とぬめり成分は、お通じの心づよい味方になります。
青い葉の部分にも注目。ここにはカロテンやビタミンC、カルシウムやカリウムといったミネラルが豊富に含まれていて、これも風邪の予防に効果大。一本まるまるいただけば、病気しらずの元気な体!ということになります。